
【パリ=北松円香】ルーヴル美術館窃盗事件を巡り、フランス当局は25日に拘束した容疑者2人を、犯行現場に残された大量のDNAの解析を通じて特定した。2人は30代で、警察には窃盗犯として知られていた。盗まれた宝飾品の行方は依然分かっていない。
仏メディアによると一人はフランスとアルジェリアの二重国籍だ。25日夜にアルジェリア行きの飛行機に乗ろうとしてパリ近郊のシャルル・ドゴール空港で拘束された。もう一人は仏国籍で、パリ近郊のセーヌサンドニ県で拘束された。
犯人は現場にベストなど多くの遺留品を残していた。当局は150以上のDNAや指紋を証拠として採取した。各地の監視カメラの映像を通じて逃走経路も調べた。
当局は容疑者を特定した後も、共犯者や盗難品の所在を突き止めるためひそかに監視を続けていた。ただ容疑者が出国しようとしたことから拘束することに決めた。
同事件を巡っては犯人が工事関係者を装って白昼に美術館に侵入した。その手際の良さなどから「組織的な手口の特徴」(パリ検察のロール・ベキュオ検事)だとみられている。
盗難品は8800万ユーロ(約155億円)の価値がある。民間の保険がかけられていなかった。フランスの国立美術館では高額な保険料の支払いを避けるため、通常の保管場所にある収蔵品に保険をかけないためだ。
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