ニューヨークのウォール街=遠藤啓生撮影

【NQNニューヨーク=森川サリー】27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸で始まった。午前9時35分現在は前週末比262ドル60セント高の4万7469ドル72セントで推移し、24日に付けた最高値を上回っている。貿易問題を巡る米中の対立が緩和するとの期待が支えとなっている。ダウ平均の上げ幅は一時300ドルを超えた。

米中両政府は25〜26日にマレーシアの首都クアラルンプールで貿易協議を開いた。米国は10月末に予定する首脳会談に向け「枠組みができた」と発表した。週内に予定する米中首脳会談で貿易協議に進展が見られるとの期待が高まっている。

ベッセント米財務長官は26日、米NBCテレビに出演し、中国がレアアース輸出規制の実施を延期するとの見方を示したうえ、米国が11月1日に始めるとしていた中国に対する100%の追加関税を見送る方針だと語った。

前週末発表の9月の米消費者物価指数(CPI)は上昇率が市場予想を下回った。米連邦準備理事会(FRB)が28〜29日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決める公算が大きい。金融緩和が米経済を支えるとの見方も相場を支えている。

ダウ平均の構成銘柄では、アップルやキャタピラー、マイクロソフトが上昇している。ゴールドマン・サックスやボーイングも買われている。半面、ウォルマートとプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が下落している。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3日続伸して始まった。上げ幅は1.5%に達し、初めて2万3500台に乗せる場面があった。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も3日続伸して始まり、前週末に付けた最高値を上回っている。

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