人質の遺体を運ぶ赤十字国際委員会の車両(27日、パレスチナ自治区北部ガザ市)=ロイター

【エルサレム=共同】パレスチナのイスラム組織ハマスは27日、自治区ガザの和平計画「第1段階」の合意に基づき、人質1人の遺体をイスラエルに引き渡した。首相府が発表した。身元が確認されればガザに残る遺体は12人になる。イスラエルは遺体の返還遅れを批判しており、地元メディアは政府が「制裁」としてガザの支配地域の拡大を検討していると伝えた。

返還に先立ち、中東メディアは27日、ハマスが仲介国に対し、人質7〜9人の遺体の収容作業を進めていると説明したと報じた。イスラエルは26日、エジプトの捜索隊のガザ入りを承認。戦闘により荒廃したガザでは遺体ががれきの下に埋もれるなど収容が難しいケースもあり、捜索隊は重機を使って活動している。

イスラエル軍は部隊を停戦合意に基づくラインまで撤収させたが、依然としてガザの約半分を支配下に置いている。地元メディアによると、イスラエル政府関係者は支配地域では和平計画「第2段階」を待たずに復興作業に着手できると述べた。事実上の占領の固定化が懸念されている。

イスラエルとハマスが合意した和平計画「第1段階」では、ハマスは遺体を含む人質48人全員を13日までに引き渡すことになっていた。

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