ニアミーの相乗りタクシー(28日、東京都千代田区)

相乗りタクシーを手がけるニアミー(東京・中央)は28日、中国の格安航空会社(LCC)の春秋航空と日本国内の空港送迎で連携すると発表した。2025年度中にも春秋航空の航空便を予約する際に日本国内の主要空港からホテルや観光地への送迎を割安に手配できるようにする。増加が続くインバウンド(訪日外国人)客を取り込む。

春秋航空とシステム開発の阿宝(東京・台東)と組み、春秋航空の予約アプリとニアミーの予約システムを連携させる。航空便の到着時刻や人数、行き先などの情報を人工知能(AI)で組み合わせ、複数の乗客を1台のタクシーに相乗りさせる。事前予約で遠回りになる分、料金はタクシーと比べて割安になる。

ニアミーは米国や東南アジアからのインバウンド客を多く抱える一方、中国人の取り込みが遅れていた。東京のほか新千歳空港や中部国際空港など主要空港で発着する大手LCCと組んで利用者を開拓する。

26年度には中国の対話アプリ「WeChat(ウィーチャット)」上でニアミーの予約サービスを使えるようにする。28日に都内で開いた説明会に登壇した高原幸一郎社長は「旅行の前段階から中国の顧客との接点を設けて、地元のタクシー会社につなぐ」と述べた。

ニアミーの事業説明会に出席する高原幸一郎社長(一番左)ら(28日、東京都千代田区)

主力の空港送迎以外の事業も広げ、交通網が脆弱な「交通空白」に対応する。同日、深夜に行き先が近い乗客同士をリアルタイムでマッチングするサービスを国土交通省と首都圏の一部地域で始めると発表した。

相乗りタクシーの注文が入るとニアミーのスマートフォンアプリを介して他の利用者に発車時刻を通知し、相乗りを促す。東京・渋谷エリアでは11月から26年1月末まで提供する。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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