【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(8月20日の動き)

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ロシア外相「 ロシア抜きでの解決は同意できない」

ロシア ラブロフ外相

ロシアのラブロフ外相は、停戦後のウクライナへの安全の保証をめぐり、欧米の議論が活発化していることを受けて「ロシア抜きで解決しようとしていることには同意できない」などと述べ、ロシアの立場を尊重するようけん制しました。

停戦後のウクライナへの安全の保証をめぐっては、アメリカのトランプ大統領がヨーロッパ各国が地上部隊を派遣し、アメリカは航空面などで支援する枠組みになる可能性を示すなど、欧米の議論が活発化しています。

こうした中、ロシアのラブロフ外相は20日、ヨルダンの外相と会談したあとの記者会見で「集団安全保障の問題をロシア抜きで解決しようとしていることには同意できない。それは不可能だろう」と述べ、ロシアの立場を尊重するよう欧米をけん制しました。

その上で「われわれは自国の正当な利益を断固かつ厳格に確保していく」と強調しました。

また、ラブロフ外相は、先のプーチン大統領とトランプ大統領との電話会談で、ロシアとウクライナがトルコで行ってきた直接会談に関連し、プーチン大統領が会談を継続するとともに代表団のメンバーのレベルを引き上げることを提案したと明らかにしました。

一方、ロシア国防省は20日、ウクライナ東部のドネツク州とドニプロペトロウシク州であわせて3つの集落を掌握したと発表し、停戦に向けた動きが出る中でもロシア軍による攻撃が続いています。

ウクライナ専門家「早期に会談 可能性は低い」

ウクライナ情勢をめぐり、ゼレンスキー大統領とロシアのプーチン大統領の直接会談に向けた調整が進められるなか、ウクライナの外交と安全保障の専門家は、両者は領土などを巡り依然として立場に隔たりがあり、早期に会談が行われる可能性は低いという見方を示しました。

外交と安全保障の専門家でメチニコフ記念オデーサ国立大学准教授のボロディミル・ドゥボビク氏は20日、NHKのインタビューに応じました。

この中でドゥボビク氏は、これまでゼレンスキー大統領が一貫して拒否してきた領土の割譲について「ウクライナとしては、強固な『安全の保証』が提供されれば、領土の問題での譲歩に前向きになる可能性もあるのではないか」と話し、「安全の保証」がカギになるとしています。

ただ、「ウクライナとロシアの立場はかけ離れている」としてゼレンスキー大統領とプーチン大統領の直接会談について、「双方が妥協点を見つけるにはまずは実務者レベルで話し合う必要がある。それほど早くには実現せず、おそらく1か月程度はかかるだろう」と述べて、早期に会談が行われる可能性は低いという見方を示しました。

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