
高市早苗首相は30日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席するため韓国・慶州を訪問する。同日に韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領と初の首脳会談を開く。31日に中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席との会談も調整する。
李氏とは東アジアの安全保障を含む地域情勢について議論する。北朝鮮の「完全な非核化」に向けた日韓、日米韓の協力の維持も確かめる。日韓で共通する少子高齢化や地方創生を話し合う政府間協議の加速を促す。
日韓首脳の往来では前回、石破茂前首相が退任直前の9月末に韓国・釜山を訪れて李氏と会談した。日韓関係の改善基調を次期政権につなげると確かめていた。
シャトル外交は2023年3月に当時の岸田文雄首相と尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が再開を決めた。歴史・領土問題を抱える日韓が首脳の対面での会談機会を増やすことで関係を維持する狙いがある。
習氏とは安定した日中関係の構築をめざし、日中が互いの利益を追求する「戦略的互恵関係」の推進を確認する。
中国は高市首相の就任にあわせ、李強(リー・チャン)首相が祝電を送った。菅義偉、岸田文雄、石破茂各氏が首相に就いた際は習氏が祝電を送っており、対応が異なっていた。
高市首相は就任前に歴史問題や対中国で強硬な姿勢を取り、靖国神社にも毎年参拝してきた。中国側が就任後の首相の言動を見極めていたという見方がある。首相は就任後は中韓との対話を追求し、現実的な対応をとる姿勢を強調している。
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