
【ソウル=小林恵理香】韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は4日、国会で2026年度予算案に関する施政方針演説に臨んだ。国防費に25年度比8.2%増の約66兆3000億ウォン(およそ7兆900億円)を計上すると表明した。人工知能(AI)を活用した兵器開発などに投資する。
国防費の伸び率は文在寅(ムン・ジェイン)政権だった19年の前年比8.2%以来、7年ぶりに8%台に拡大した。李氏は国防力を強化し、過度な米軍依存から脱却を目指す「自主国防」を確実に実現するとした。

米国は同盟国である韓国に国防費の増額を求めている。10月29日の米韓首脳会談の際も李氏は国防費を増やす方針を示した。韓国国防省は毎年7.7%ずつ国防費を増額できれば、35年に国内総生産(GDP)比3.5%を達成すると見込んでいる。
韓国政府が国会に提出した26年度予算案は総額728兆ウォン(約78兆円)と、25年度と比べ約8%増えた。AIや防衛産業、文化コンテンツなどの成長分野の研究開発(R&D)に重点投資する。李氏は「未来に備えるために真に必要な予算は果敢に編成する」と訴えた。
AI分野の予算は25年度予算の3倍以上にあたる10兆1000億ウォン(約1兆円)に増やす。AI市場での競争力を左右する重要部品の確保などに先行投資する。李氏は「(AI分野への)投資を大幅に拡大し、成長の土台をしっかり固める」と語った。
李氏は10月末から韓国で開いたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議などの一連の外交成果についても言及した。米国との関税交渉の妥結で「韓国経済の不確実性を緩和した」と強調した。中国との首脳会談で「中韓関係を全面回復させた」とも主張した。
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