破壊されたパレスチナ自治区ガザの病院(10月27日)=ロイター

【ニューヨーク、エルサレム=共同】米ニュースサイト、アクシオスは3日、パレスチナ自治区ガザの治安維持を担う国際安定化部隊について、国連安全保障理事会(15カ国)の承認を得るため、米国が一部の理事国に部隊設置に関する決議案を先行して共有したと伝えた。安保理で数週間以内に採択し、来年1月までの設置を目指すとしている。

実現すれば米国と部隊の参加国にガザ管理に関する大きな権限が与えられることになる。順調に設置に至るかどうかが焦点となりそうだ。少なくとも2027年末まで活動し、延長も視野に入れる。

アクシオスによると、決議案で国際安定化部隊は、ガザとイスラエル、エジプトの境界を警備。ガザで人道支援に必要な「回廊」の安全を確保する。また、パレスチナ人による新たな警察組織の訓練を担当する。

トランプ米大統領がトップを務める新たな国際機関「平和評議会」の管理下に置かれる見通しだ。米政権は、ガザの停戦を維持した上で、国際安定化部隊の設置など和平計画「第2段階」への移行を目指している。

トルコ・イスタンブールでは3日、ガザ停戦を巡るアラブ・イスラム諸国閣僚級会合が開かれ、トルコのフィダン外相は記者会見で部隊について、安保理の決議に基づき「各国が派遣の可否を決める」と述べた。

一方、イスラム組織ハマス幹部は3日、ガザでイスラエル軍の攻撃による死傷者が連日出ているとして「停戦合意違反だ」と反発した。イスラエル軍はハマスの拠点排除を掲げ、支配地域周辺で砲撃や空爆を継続。ハマス系列メディアによると、3日には北部ガザ市で結婚式の最中に銃撃があり、少女3人が負傷した。中東メディアは北部ジャバリヤとガザ市で4日、軍の攻撃で2人が死亡したと伝えた。

ガザ保健当局は4日、23年10月の戦闘開始後のガザ側死者が6万8872人になったと発表した。

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