
【NQNニューヨーク=戸部実華】5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、15時現在は前日比294ドル80セント高の4万7380ドル04セントで推移している。米経済の底堅さを示す指標の発表を受け、投資家心理の改善につながった。売りが先行したハイテク株の一角が切り返したことも相場を支えている。
5日発表の10月のADP全米雇用リポートで、非農業部門の雇用者数は前月比4万2000人増えた。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(2万2000人増)を上回った。9月分は上方修正された。5日午前に発表された10月の米サプライマネジメント協会(ISM)サービス業景況感指数は52.4と、市場予想(50.5)を上回った。
市場では「米連邦準備理事会(FRB)による追加利下げの余地を残す程度に、米雇用や景況感の改善がみられた」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との受け止めがあった。FRBの利下げ効果の支えとともに雇用や経済の急速な悪化を避けられるとの楽観を誘い、企業収益を期待した買いにつながった。
前日は株式の割高感が強まっているとの懸念から売りが広がった。5日朝もハイテク株の下げが相場の重荷となっていたが、売り一巡後は一角に買いが入り、市場心理を支えている。ダウ平均の構成銘柄ではないが、前日夕に好決算を発表した半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が売り先行後に上昇に転じている。
ダウ平均の構成銘柄ではアムジェンが大幅に上昇している。前日夕に発表した2025年7〜9月期決算が市場予想を上回り、25年12月期通期の収益見通しを引き上げた。5日に四半期決算を発表したマクドナルドも上げている。キャタピラーやスリーエムも高い。半面、ホーム・デポやシャーウィン・ウィリアムズは売られている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反発している。マイクロン・テクノロジーやブロードコムなど半導体株が買われている。テスラとアルファベットも高い。
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