中国の衣料通販大手「SHEIN」が、世界初の常設店舗をフランス・パリにオープンしました。
パリの老舗百貨店に5日、SHEINが店舗を開業しました。
オンラインではなく、その場で服を買うことができるSHEINの常設店舗は世界初で、今後フランス国内の複数の都市にも出店が予定されています。
訪れた人は「格安だから来ました。経済的に余裕がないからここで買います」と話しました。
ヨーロッパでは、SHEINをはじめとした大量生産・大量消費を続ける、いわゆる「ウルトラファストファッション」への警戒感が広がっていて、フランス議会では、EU(ヨーロッパ連合)のエリア外からフランスに郵送される小包に課税する法案が審議されています。
出店に反対する人は「誰もが高級品を買えるわけではないが、商品はきちんと選ぶべき」と話しました。
この百貨店に入店していた複数のブランドが、SHEINのビジネスモデルに抗議する意思を示して撤退するなど影響が広がっています。
世界初の常設店舗のオープンで行列ができている一方、その前で抗議活動が起きているという状況です。
なぜなのか詳しく見ていきます。
日本のみならず世界で人気が拡大している「SHEIN」ですが、実際にはさまざまな問題も起きています。
2023年12月にユニクロが「SHEINのバッグが自社の商品を模倣した商品だ」として、SHEINを展開する3つの会社を提訴し、模倣商品の販売停止を求めました。
また2025年7月、フランス当局は通販サイトが虚偽の安売り表示をしているとして、罰金約68億円を課すと発表しています。
また、今回オープンを前に11月1日、フランスの規制当局はSHEINが販売していた商品の中に規制対象となる幼女の人形を確認したと発表。
児童ポルノにあたることは疑いの余地なしとして、サイトを一時的に停止する手続きを開始しました。
その他にも海外メディアによりますと、メリケンサックなど大量の武器も販売されていることも確認されたということです。
問題視されていることも多々ありますが、実際どれだけ人気があるのかデータもあります。
欧米ではもちろん、日本でも多くの利用者がいるSHEINですが、イギリスの調査会社によると、2024年の世界のアパレル市場のシェアではNIKE、アディダスに次いでSHEINが3位ということで、ヨーロッパでも本当に人気が高いことが分かります。
――ヨーロッパでは大量生産・大量消費のウルトラファストファッションに対して批判を受けているが、日本はどうするのか?
SPキャスター・柳沢秀夫さん:
日本もひとごとではないと思います。いずれにしても、こういうものは社会が受け入れるかどうかというところなので、社会になじまなければ淘汰(とうた)されるし、逆に受け入れられればもっと拡散していくと思います。
今、出てきたばかりでかなりのスピード感もあるので、そういった整備も課題になってくるとみられます。
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