
【NQNニューヨーク=田中俊行】6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、15時現在は前日比264ドル21セント安の4万7046ドル79セントで推移している。下げ幅は一時500ドルあまりに達する場面があった。米雇用情勢の減速を示す民間の経済指標を受け、米景気の先行き不透明感が意識されて売りが優勢になった。
米調査会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスは6日、米企業や政府機関が計画する人員削減数が10月は15万3074人だったと発表した。前年同月の2.8倍に増え、10月として2003年以来の高水準となった。
調査会社レベリオ・ラブズが同日発表した10月の非農業部門の雇用者数は前月比9100人減だった。政府統計の発表が見送られるなか、米労働市場が悪化しているとの見方が広がり、投資家心理が弱気に傾いた。
ハイテク株の割高感が強まっていることへの懸念も改めて意識された。ダウ平均の構成銘柄ではないが、データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズ、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やクアルコムの下げが目立った。
各社が今週発表した2025年7〜9月期決算は市場予想を上回ったが、売りが優勢になった。市場では「ハイテク株は株価指標の面で割高で、さらに調整する可能性がある」(マーフィー・アンド・シルヴェスト・ウェルス・マネジメントのポール・ノルティ氏)との声が聞かれた。
ダウ平均の構成銘柄ではセールスフォースやエヌビディア、マクドナルドが売られた。アマゾン・ドット・コムやアムジェンも下落している。一方、IBMやメルク、JPモルガン・チェースが買われている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反落している。料理宅配サービスのドアダッシュが大幅安。2025年10〜12月期の業績見通しが市場予想に届かず、失望売りが出ている。テスラやメタプラットフォームズ、インテルが安い。
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