
【ソウル=共同】韓国の昨年末の「非常戒厳」宣言を巡る捜査を進める特別検察官は12日、職務放棄などの疑いで情報機関、国家情報院(国情院)の前トップ、趙太庸(チョ・テヨン)容疑者を逮捕した。韓国メディアが伝えた。
報道によると、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領=内乱首謀罪などで公判中=による戒厳令の計画を事前に知りながら、国会への報告を怠った疑いが持たれている。戒厳令宣言当日の国情院内部の様子が撮影された監視カメラの映像を、当時の与党にだけ提供したとして、政治関与を禁じた国情院法に違反した疑いもある。
特別検察官が7日に逮捕状を請求し、ソウル中央地裁が12日「証拠隠滅の恐れがある」として逮捕状を発付した。
趙容疑者は外交官から国会議員になり、2022年の尹政権発足後、駐米大使や大統領府国家安保室長を歴任。24年1月から25年6月まで国情院長を務めた。
国情院長は政権交代後に政治に介入したなどとして捜査を受けることが多い。韓国メディアによると、1999年の発足以降、院長経験者が逮捕されたのは今回を含めて8人目という。
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