ニューヨークのウォール街(5月)=遠藤啓生撮影

【NQNニューヨーク=田中俊行】14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落して始まり、午前9時35分現在は前日比583ドル45セント安の4万6873ドル77セントで推移している。ハイテク株の割高感が警戒され、売りが引き続き優勢だ。米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げ観測が後退しているのも相場の重荷となっている。

人工知能(AI)需要の成長期待で資金が集中してきたハイテク株を巡り、バリュエーション(投資尺度)の高さを警戒するムードが強まっている。ダウ平均の構成銘柄ではないが、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体関連株の下げが主導する形で、相場全体を押し下げている。

このところFRB高官から追加利下げに慎重な声が増えている。米金利先物の値動きから米政策金利を予想する「フェドウオッチ」によると、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0.25%引き下げる確率は14日早朝時点で約53%と、前週末(約67%)から低下している。米利下げ観測の後退が、株売りを促している面もある。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインも急落している。情報サイトの米コインデスクによると米東部時間14日朝時点では9万6000ドル台と、前日の同時刻と比べて6%程度下落した。リスク資産であるビットコインの軟調な動きも投資家の運用リスクをとる姿勢を後退させているようだ。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)が大幅に下げている。13日に発表した2025年8〜10月期決算で特別項目を除く1株利益は市場予想を上回った。だが、あわせて示した業績予想が慎重だと受け止められ、売りが先行している。

ダウ平均の構成銘柄ではゴールドマン・サックスやナイキ、ユナイテッドヘルス・グループが下落している。アメリカン・エキスプレス(アメックス)やウォルマート、ホーム・デポも安い。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は4日続落して始まった。

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