17日も笑顔で官邸に入った高市首相。
しかし今、台湾有事を巡る日中の応酬が日に日に激しさを増しています。

中国外務省報道官のSNSには「われわれは日本に告げる。台湾問題で火遊びをするな。火遊びをすれば必ず身を滅ぼす」と投稿されたほか、中国政府が日本への渡航を当面自粛するよう注意喚起しています。

事態は沈静化するのか。
午後、中国政府から新たな注目の発言がありました。

午後4時半ごろ、経済団体の代表による表敬を受けた高市首相。
高市首相を巡っては、中国の軍事侵攻を想定し“台湾有事は存立危機事態になり得るケースもある”と国会で答弁したことに対し、中国側が猛反発しています。

中国の薛剣駐大阪総領事が「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇(ちゅうちょ)もなく斬ってやるしかない。覚悟ができているのか」とSNSに投稿した問題に、日本政府は「極めて不適切」などと強い不快感を示し、中国側に説明を求めました。

一方、中国政府の反発は日に日にエスカレートしています。

中国の文化観光省は16日夜、中国国民に対し日本への渡航を控えるよう注意喚起したほか、教育省も日本の治安が不安定だと主張し、留学を慎重に検討するよう呼びかけたのです。

これに対し17日、木原官房長官は「留学や観光を含む2国間の人的交流を萎縮させる」として、中国側に適切な対応を求めたことを明らかにしました。

日中関係悪化の影響は出ているのでしょうか。

午後1時すぎ、東京・浅草の雷門前には多くの外国人観光客がいる中、中国語が特に聞こえてきました。

訪日中国人の数は2025年9月時点で約750万人と、外国人観光客全体の約2割に上ります。

中国政府の注意喚起に対し、中国から来た観光客は「日本が好きだから残念です。政治は政治、国民は国民で違うでしょう」と話しました。

浅草のせんべい店は…。

炭火手焼きせんべい 壱番屋・飯田高大店長:
売り上げが減ることも想像できるけど、人が多すぎると売り上げは上がらない。もうちょっとじっくりものを選んで買えるっていうのが増えるんじゃないか。

さらに15日、香港当局は「2025年半ば以降、日本国内における中国人への襲撃が増加傾向にあります」と主張したのです。

ただ、香港から来た観光客はこの注意喚起に「私にとって日本人はとても丁寧で礼儀を重視しているので、基本的にそんな感じはしない」と話します。

事態解決の糸口はあるのか。

日本政府は17日、外務省の金井正彰アジア大洋州局長を中国に派遣しました。

また、22日から南アフリカで開かれるG20(20カ国・地域)サミットに高市首相と中国の李強首相が出席しますが、2人の会談の可能性について午後3時ごろ、中国外務省の報道官は「李強首相が日本の指導者と会談する予定はない。日本は一線を越えた火遊びをやめ、誤った言動を撤回し、約束を行動に反映すべきだ」と述べました。

事態の沈静化の糸口はいまだ見えていません。

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