
【NQNニューヨーク=田中俊行】17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、15時現在は前週末比693ドル21セント安の4万6454ドル27セントで推移している。700ドル超安となる場面もある。米連邦準備理事会(FRB)高官の追加利下げに慎重な発言が投資家心理の重荷となっている。19日にエヌビディアの決算発表を控えハイテク株には持ち高調整の売りが出た。
FRBのジェファーソン副議長は17日の講演で「政策金利は景気を熱しも冷ましもしない中立的な水準に近づいている」と述べた。そのうえで「リスクバランスは変化し続けている」として追加利下げを慎重に進める必要があるとの認識を示した。
米短期金利先物市場ではFRBが12月に金利据え置きを決める確率が17日午後時点で55%となっている。週内にはFRB高官の発言機会が相次ぐ。米政府閉鎖が長期化したため経済指標の集計などに影響する可能性が出ている。データ不足などを理由に利下げに慎重な意見が増えれば、株式相場を下押しするとの警戒がある。
ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアが安い。同社は19日、2025年8〜10月期決算を発表する。人工知能(AI)データセンター向け半導体の成長期待は高いものの、割高感が意識されている。決算発表後に株価が下落することへの懸念があり、ハイテク株を中心に持ち高調整の売りが出やすくなっている。エヌビディアは一時3%安となった。
そのほかの構成銘柄では、アメリカン・エキスプレス(アメックス)やIBM、セールスフォースが下落している。ナイキやゴールドマン・サックス、アップルも下げている。一方、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)やアムジェン、メルクは上昇している。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反落している。
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