オランダ政府は19日、同国に本社がある中国資本の半導体メーカー「ネクスペリア」を管理下に置く特例措置を停止したと発表した。この特例措置を発端に、同社の中国産製品の出荷が止まり、日本を含む世界の自動車産業に深刻な影響が広がっていた。今回の決定により、半導体不足は解消に向かう可能性が高まった。

 オランダ政府は9月末、経済安全保障上の懸念を理由に、同社の経営権を一時的に掌握。中国政府はこれに反発し、同社が中国工場で生産する一部製品の輸出を禁じた。ホンダや日産自動車など日系メーカーを含む世界の自動車大手が工場停止や減産に追い込まれていた。

 その後、欧州連合(EU)が仲介して協議が進み、中国側が対抗措置を緩和。オランダのカレマンス経済相は19日、特例措置の停止についての声明で「半導体供給を維持するために中国側が講じた措置は善意の表れであり、高く評価する」と述べた。

 オランダ政府は特例措置について、同社の最高経営責任者(CEO)が半導体に関する技術情報などを中国側に漏洩(ろうえい)しようとした疑いがあったとし、「オランダや欧州の戦略的自律や経済安保に反する行為だった」と説明している。

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