経団連の筒井義信会長は19日、北陸経済連合会(北経連)との経済懇談会後の記者会見で、台湾有事を巡る最近の日中対立について「対中ビジネスへの影響が拡大することを非常に憂慮している」と述べた。北経連の金井豊会長は北陸新幹線で未着工の敦賀―新大阪間のルートを巡り「東海道新幹線とは全く別のルートでつなぐ必要がある」と述べた。

記者会見する経団連の筒井義信会長(左)と北経連の金井豊会長(19日、福井市)

中国は高市早苗首相の国会答弁を機に自国民に日本への渡航を当面控えるよう注意喚起するなど日本への威圧を強めている。筒井会長は「企業は冷静に状況を注視して対応していく必要がある」と指摘した。解決には「両国政府間で対話を通じた意思疎通が図られていくことに尽きる」と述べた。

北陸新幹線の敦賀(福井県敦賀市)以西のルートは福井県小浜市や京都を通る「小浜・京都ルート」で決まっているが、自維両党の一部議員に再検証を求める声がある。金井会長は「国土強靱化の観点からも東京と大阪を結ぶ大動脈が2つ独立してあることが大事」と語り、小浜・京都ルートの優位性を強調した。

再稼働を巡り新潟県知事の判断が大詰めを迎えている東京電力ホールディングスの柏崎刈羽原子力発電所に関して筒井会長は「原子力の活用は経済成長や脱炭素などの側面から不可欠」とした上で「東電には安全性確保の徹底などを求めたい」と語った。

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