ブルックフィールドのブルース・フラットCEO=AP

【ニューヨーク=竹内弘文】カナダの大手投資会社ブルックフィールドは19日、最大1000億ドル(約15兆6000億円)規模の人工知能(AI)インフラ投資ファンドを立ち上げると発表した。米半導体大手エヌビディアや政府系ファンドのクウェート投資庁(KIA)が投資家として参画する。需要拡大が見込まれるデータセンターなどへの投資を加速する。

ブルックフィールドは総額1兆ドルを超す運用資産を持ち、インフラ投資に強みを持つことで知られる。今回はAIインフラ投資に特化したファンドを立ち上げた。エヌビディアとKIAを含む投資家グループが既に50億ドルの出資を確約しているという。投資実行にあたっては負債も活用する。

「AIファクトリー」と呼ばれる企業・組織が自前で構えるAIデータセンターのほか、各国政府や多国籍企業向けに計算処理能力を提供するデータセンターに投資する。膨大な消費電力を支える電力インフラやAI関連産業への投資も実行する予定だ。

ブルックフィールドのAIインフラ責任者、シカンダー・ラシード氏は声明文で「AIインフラの構築には今後10年間で、数兆ドル規模の資本投下が必要となる」と述べた。

エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)も「ブルックフィールドと組むことで、用地、電力、スーパーコンピューターの全てを統合し、すぐに稼働できるAIクラウドを実現する」とコメントした。

大手投資会社と大手テクノロジー企業が組んでAIインフラ投資の枠組みを立ち上げる事例は増えている。米ブラックロックはマイクロソフトやエヌビディアと連携して企業・投資家連合「AIインフラ・パートナーシップ」を発足。10月に米データセンター事業者の買収を発表した。

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