円は約10カ月ぶりに1ドル=157円台を付けた

【ニューヨーク=竹内弘文】19日のニューヨーク外国為替市場で円相場が一時、1ドル=157円台に下落した。157円台を付けるのは1月半ば以来、約10カ月ぶり。対ユーロでは1ユーロ=181円台前半と最安値を更新した。高市早苗政権が積極財政を掲げるなか、日本の財政悪化に対する警戒が円売り圧力につながっている。

対ドルでは米東部時間の19日未明に156円台を付けてから、10時間程度で1円下落した。日本時間の19日夕方には片山さつき財務相と城内実経済財政相、日銀の植田和男総裁が3者会談を開いたが、円安・ドル高に関する具体的な話は出なかったと伝わり、政府・日銀による為替介入の観測が市場で後退していた。

米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが読みにくくなっている点も影響した。19日に公表された10月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、多くの参加者が少なくとも年末まで政策金利を据え置くと見通していたことが明らかとなった。

議事要旨公表を受けて、米金利先物市場の値動きから政策金利を予想する「フェドウオッチ」では12月の政策金利据え置きの予想確率が6割超となり、前日の約5割から急上昇した。

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