
【NQNニューヨーク=横内理恵】19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、終値は前日比47ドル03セント(0.10%)高の4万6138ドル77セントだった。主力株の一角を買い直す動きが相場を支えた。半面、米利下げ観測が後退し、ダウ平均は下げる場面があった。
エヌビディアは通常取引終了後に2025年8〜10月期決算を発表する。人工知能(AI)への過剰投資を巡って懸念が強まるなか、同社決算への受け止めが相場の方向感を左右する可能性が高い。市場の関心があつまっており、持ち高を一方向に傾ける動きは限られた。エヌビディアは反発した。
ダウ平均は前日に約1カ月ぶりの安値を付けた。前日までの4営業日で2100ドルあまり下落し、12日に最高値を付けた後の4日間の下げ幅は4月下旬以来の大きさだった。急速に株安が進んだ後で、足元で売りが目立っていた銘柄などを中心に買いが入った。一時は200ドルあまり上昇した。
ダウ平均は下げる場面も多かった。同日の米短期金利先物市場で12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ予想確率が前日の5割前後から3割強に低下した。
米労働省が19日に米雇用統計の公表予定を見直し、11月分を当初の12月5日から同16日に変えた。12月9〜10日のFOMC後となり、米連邦準備理事会(FRB)の利下げの先送りにつながる可能性が意識された。
FRBが午後に公表した10月のFOMC議事要旨では12月の政策判断について「多くの参加者が据え置きが適切になるかもしれない」との見方を示していたことが明らかになった。「FRBは来年にかけても利下げに慎重になりそうだ」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声もあった。
ダウ平均の構成銘柄ではシャーウィン・ウィリアムズやジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、シスコシステムズが上昇した。JPモルガン・チェースなど金融も高かった。一方、セールスフォースやボーイング、ウォルト・ディズニー、ユナイテッドヘルス・グループなどが下げた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。終値は前日比131.383ポイント(0.58%)高の2万2564.229(速報値)だった。アルファベットが上昇した。18日に傘下のグーグルが最新のAI基盤モデル「Gemini(ジェミニ)3」を発表したことなどが材料視された。半導体のブロードコムも上げた。
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