カリブ海に向けて進む米空母ジェラルド・フォードの艦隊(13日)=米海軍提供・ロイター

【ワシントン=共同】米連邦航空局(FAA)は21日、ベネズエラと周辺地域の上空を飛行する民間航空機に対し「全ての高度で潜在的に危険が及ぶ可能性がある」と警告する航空情報(ノータム)を出した。トランプ政権は麻薬対策を掲げてベネズエラへの軍事圧力を強めており、地上攻撃の可能性が取り沙汰されるなど緊張が高まっている。

航空情報では、ベネズエラ国内と周辺で「安全保障情勢が悪化し、軍事活動が活発化している」と指摘。付近の上空を通過する際に加え、離着陸時にも危険が及ぶ恐れがあると注意を呼びかけた。

航空会社が飛行を計画している場合、少なくとも72時間前までにFAAに通知することも求めた。ロイター通信によると、アメリカン航空は10月にベネズエラ上空での飛行をやめ、デルタ航空も既に停止している。

トランプ政権は反米のマドゥロ政権が米国への麻薬密輸に関与していると主張し、9月以降にカリブ海などで麻薬を運んでいると見なす船への攻撃を続けている。米軍はカリブ海などに配備する戦力を急速に増強しており、最新鋭原子力空母ジェラルド・フォードも展開した。

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