約400年前に造られた「唐人墓地」が始まりとされる長崎市曙町の稲佐悟真寺国際墓地で24日、日本と中国双方のボランティアら約150人が草刈りなど清掃を行った。日中関係の緊張で各地で交流行事が延期されているが、長い歴史的なつながりのある活動として、在長崎中国総領事館の陳泳総領事も参加した。
国際墓地には中国人のほか、ポルトガル人やロシア人らの墓がある。1972年の日中国交正常化の2年後の74年、区画内の中国人墓地の清掃活動が始まり、今年で52回目。県日中親善協議会(会長・大石賢吾知事)が主催した。
活動のはじめに、陳総領事や長崎華僑総会の楊爾嗣会長らが祭壇に祈った。あいさつに立った陳総領事は「中日関係がどんな困難にあっても、多くの先人が友好関係を推進してきた」と語った。
高市早苗首相の台湾有事をめぐる国会答弁に中国側が反発し、日本各地で日中交流行事が延期や中止されている。今年3月に長崎に赴任した陳総領事は、朝日新聞の取材に対してこの問題には直接答えず、「墓地清掃は歴史のある民間の交流。私が赴任後初めての機会であり、参加するべきだと考えた」と述べた。
活動には、親善協議会の会員や地元企業の有志、中国人留学生らが参加した。草刈りをした会社員の宅島美穂さん(57)は「国と国の関係と、地域の交流は別。民間レベルの交流は続けていきたい」と語った。
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