【NQNニューヨーク=矢内純一】24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、終値は前週末比202ドル86セント(0.43%)高の4万6448ドル27セントだった。米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げ観測が高まり、ハイテク株などに買いが広がった。ダウ平均の上げ幅は300ドルを超える場面があった。

FRBのウォラー理事は24日の米FOXビジネスで、米労働市場の軟化を背景に12月9〜10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを支持する姿勢を示した。前週21日にはニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が12月の利下げを示唆する発言をした後で、市場の利下げ観測が一段と高まった。

サンフランシスコ連銀のデイリー総裁も24日の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで12月の利下げを支持する考えを示した。米短期金利先物の値動きから、市場が織り込む政策金利を示す「フェドウオッチ」では、12月の0.25%利下げを予想する確率は24日午後時点で8割台と、前週末の7割程度から上昇した。

市場では「利下げ期待が株買いを促している」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との指摘があった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、アルファベットが6%あまり上昇した。傘下のグーグルが前週に公表した最新の生成AI(人工知能)モデルへの高い評価が相次ぐなかで、アナリストが投資判断「買い」で調査を始めた。他のハイテク株を買い直す動きにつながった面があった。

ダウ平均の構成銘柄では、アマゾン・ドット・コム、IBM、エヌビディアが上昇した。アナリストが投資判断を引き上げたメルクも買われた。半面、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やベライゾン・コミュニケーションズなどが下落した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。終値は前週末比598.922ポイント(2.68%)高の2万2872.005(速報値)だった。上昇率は5月12日以来の大きさだった。テスラが上昇した。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がX(旧ツイッター)でAI半導体の開発状況を明らかにしたことが材料視された。

データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズも高かった。そのほか、ブロードコムやマイクロン・テクノロジーなどの半導体株の上昇が目立った。主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4.6%高だった。

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