西サハラを支持する人々(2022年、スペイン南部マラガ)=ロイター

日本主導のアフリカ開発会議(TICAD)のため来日した西サハラの関係者は23日までに、日本側からTICAD以外の活動自粛を要請されたと明らかにした。これを受け、西サハラの代表団は複数の国会議員との面会や記者会見を中止した。西サハラを日本は国家承認していない。

西サハラを巡っては独立派と、領有権を主張し実効支配するモロッコとの対立が継続。日本側がモロッコに配慮して要請した可能性がある。日本の外務省担当者は共同通信の取材に「コメントする立場にない」と明言を避けた。

西サハラの独立派はTICADを共催するアフリカ連合(AU)に加盟。代表団はAU側の招きで来日し、20〜22日の横浜市でのTICADに参加した。日本側がAUにも同様の趣旨の要請をしたため、代表団はそれを考慮して従ったという。

西サハラ側は、日本の支援団体が24日に東京で企画した講演会への参加を取りやめた。25日の日本記者クラブ(東京)での記者会見も中止した。予定より離日を早めたという。

支援団体の関係者は「日本国民が西サハラのことを知る権利の妨害だ」と批判した。

モロッコは2022年にチュニジアで開かれた前回TICADに出席せず、理由として西サハラの参加を挙げた。西サハラのTICAD初参加は19年の横浜市開催。インタビューなどで、独立の是非を問う住民投票の実現を訴えた。(共同)

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