ロシア ウクライナに軍事侵攻(8月23日の動き)
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ウクライナへの軍事侵攻から3年半 首脳会談のめど立たず
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まってから、8月24日で3年半となります。
ロシアとウクライナの首脳会談をめぐって、トランプ大統領は8月22日、今後2週間で状況を見極めるとしたうえで、ロシアに対し制裁や関税などの措置に踏み切る可能性に再び言及した一方、ロシアのラブロフ外相は、調整が進まない要因はウクライナ側にあると主張しています。
これに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は23日、SNSで「ロシアの首脳とのいかなる形式の会談にも応じる用意があるが、モスクワは再び事態を長引かせようとしている」と批判し、双方の主張の隔たりが大きく、首脳会談の開催のめどは立っていません。
ウクライナ 空爆や砲撃で亡くなった市民 1万3883人に 国連
ウクライナではロシア軍による攻撃が続いていて、ロシア国防省は8月23日、東部ドネツク州で2つの集落を掌握したと発表しました。
国連人権高等弁務官事務所の発表によりますと、ロシアによる侵攻開始以降、7月末までにウクライナで空爆や砲撃に巻き込まれて亡くなった市民は少なくとも1万3883人にのぼっていて、侵攻が始まって3年半となるなか、依然として、戦闘の終結は見通せない状況です。
ウクライナ キーウで兵士の帰還求める大規模デモ
ウクライナの首都キーウでは、ロシア側の捕虜となっている兵士を帰還させるよう求める大規模なデモが行われました。
キーウの独立広場では8月23日、前線で捕虜となったり行方や安否が分からなくなったりしているウクライナ兵士の家族たち700人以上が集まりました。
参加者たちは兵士の顔写真や「帰還を待っている」とか「家族を探している」などと書かれた横断幕を掲げて、帰還の実現を訴えていました。
ロシア西部クルスク州で戦闘に参加していた夫の安否がことし1月から分かっていないという31歳の女性は「空虚さを感じ、眠れない夜を過ごす、この胸の痛みはことばにできない。夫を見つけるのを一瞬たりとも諦めたことはないし、今後も決して諦めない。私たちが愛するすべての人たちを故郷に帰還させたい」と涙ながらに訴えました。
東部ドネツク州などで戦闘に参加していた弟の安否が去年11月から分からずにいる41歳の女性は「彼が生きていて、戻ってくると信じている。私たちは団結して3年以上戦闘に耐えてきたので、必要ならどれだけでも耐え続ける」と話していました。
ウクライナ ブチャの住民「最後の力振り絞り いまを耐えている」
軍事侵攻が始まった直後、ウクライナの首都キーウ近郊のブチャで家族がロシア軍に殺され、兵士の夫が現在もロシア軍の捕虜となっている女性が、NHKの取材に応じ、悲痛な胸の内を語りました。
ブチャの住民、ビクトリア・マヨルさん(50)の当時の夫とおいは、2022年3月、ブチャを一時占拠したロシア軍によって殺害されました。
また、東部の戦闘に参加していた2歳年下の弟も2年以上行方不明となっています。
マヨルさんはおととし再婚しましたが、兵士の夫は東部の戦地でロシア軍の捕虜になり、現在、ウクライナとロシアでの捕虜の交換による帰還を願っている状況です。
マヨルさんは現在の心境について「喜びや悲しみなどことばにできない複雑な感情を抱えている。ただ、捕虜交換のリストに夫の名前が入っているという情報もあり、私の希望だ。戻ってくると信じ、すでに彼のためにスリッパと服を買った」と話していました。
その上で、侵攻から3年半がたったいまの状況について「多くのことが起こり、長くも短くも感じる期間だった。最後の力を振り絞っていまを耐えているが、精神的な疲労がたまっている。ロシアは私の人生とウクライナを破壊した」と涙を流しながら答えました。
さらに、アメリカのトランプ政権が調整を始めたとしているウクライナとロシアの首脳会談について、大きな期待はできないとしながらも「3人が実際に会うことを本当に望んでいる」と述べ、終戦に向けた動きの必要性を訴えました。
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