トランプ米政権が立ち上げたメディア批判の専用ページ(ホワイトハウスの公式サイト)

【ワシントン=芦塚智子】トランプ米政権は1日までに、ホワイトハウスの公式ウエブサイト内に「偏向している」とみなす報道機関や記者を名指しで非難する専用ページを立ち上げた。政権に批判的なメディアに対し、圧力や規制を強めている。

ページ上では「今週の反則メディア」として具体的な報道機関と記者の名前を挙げ、政権が偏向や虚偽と考える報道内容と政権側の主張を一方的に記している。さらに「恥の殿堂」と題してこれまでの「反則者」を列挙した。それぞれに「噓」「左派の狂気」「偏向」といったラベルをつけている。

政権が悪質とみる報道機関については、順位付けして「最底辺争い」という表を載せている。1日時点では米紙ワシントン・ポストが首位になっているが、明確な基準は示していない。

ホワイトハウスは政権の意向通りにメキシコ湾を「アメリカ湾」と表記しなかったAP通信に取材制限をかけるなど、大手メディアとの対立を深めている。以前はホワイトハウス記者会が決めていた代表取材の参加者を政権の指名制にした。

トランプ大統領は複数の報道機関に巨額の損害賠償を求める訴訟も起こした。敵対的とみるテレビ局に放送免許の取り消しをちらつかせてもいる。

11月には、自身が好まない質問をした女性記者に「静かにしろ、子ブタ」と言い放った。メディアへの攻撃姿勢が目立っている。

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