
ロシアによる軍事侵攻から3年半となるウクライナでは24日、旧ソビエトからの独立記念日を迎えました。
首都キーウ中心部の広場では、伝統衣装を身につけた多くの市民などが、ロシアとの戦闘で亡くなった兵士たちの写真の前に花をささげ、侵攻が長期化するなか、ロシアに徹底抗戦する決意を新たにしました。

また、ゼレンスキー大統領は、24日に公開したビデオ演説で「歴史上、二度と、ロシアが『妥協』と呼ぶ恥辱を強要されることはない。私たちは公正な平和を必要としている」と述べました。
そのうえで「私たちの未来は私たちが決める。世界はそれを知っている」と強調しました。
さらに、焦点となっているウクライナへの安全の保証について「持続可能で信頼でき、長期にわたる平和をウクライナは実現する。安全の保証は、ウクライナを攻撃する考えが誰の頭にも浮かばないほど強固なものだ」と述べました。
広場を訪れた人「この3年半は永遠に続く苦しみ」

ウクライナの首都キーウの独立広場には、24日、朝から多くの人が訪れ、ロシアによる軍事侵攻で犠牲となった兵士の顔写真を見つめたり、花を手向けたりして、祈りをささげました。
この日はウクライナの独立記念日にあたり、訪れた人の中には、団結などを示そうと、ウクライナの伝統衣装「ビシバンカ」を着た人も多く見られました。
戦闘で弟を亡くしたという40代の姉は「この3年半は永遠に続く苦しみでした。首脳らによる交渉や和平合意は信じていない。この戦争が早く終わって、私たちが自分の土地で自由に生きられることを祈っている」と話していました。
40代の息子が戦闘に参加しているという60代の母親は「国のために命をかけて戦ってきた人々へ敬意を表したい。ロシアを信じられない。私たちは勝利するまで戦う必要がある」と話していました。
都内でウクライナの平和と自由求める集会
24日、東京都内ではウクライナの平和と自由を求める集会が開かれました。
この集会は日本に避難してきたウクライナ人を支援する団体が東京の渋谷駅前で開き、避難者や支援者などが参加しました。
8月24日はウクライナの旧ソビエトからの独立記念日にあたり、参加者たちはウクライナの国旗を掲げ「ウクライナに平和を」「戦争を止めよう」などと声をあげ、3年半におよぶロシアによる軍事侵攻の終結と、ウクライナの平和と自由の実現を訴えました。
出入国在留管理庁によりますと、7月末時点で、ウクライナから日本に避難してきた人のうち、1937人が今も日本で暮らしているということです。
集会に参加したウクライナ人の女性は「3年半がたった今もひどい状況が続いていますが、ウクライナが領土を取り戻し、一刻も早く解決することを願っています」と話していました。
ロシアによる軍事侵攻のあと日本に避難してきた女性は、アメリカのトランプ政権が調整を始めたとするロシアとウクライナの首脳会談について「会談が実現したとしても、ロシアが約束を守るとは思えず、あまり期待していません。ウクライナが平和になれば帰りたいと思っていますが、それまでは日本での生活を続けたいです」と話していました。
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