ニューヨークのウォール街(5月)=遠藤啓生撮影

【NQNニューヨーク=稲場三奈】2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発して始まり、午前9時35分現在は前日比48ドル50セント高の4万7337ドル83セントで推移している。前日に軟調な値動きだった暗号資産(仮想通貨)のビットコインが上昇し、投資家心理が改善した。ハイテク株に買いが先行し相場全体を支えている。

代表的な仮想通貨であるビットコインの価格が上昇しており、投資家のリスク選好姿勢が回復している。情報サイトのコインデスクによると、2日午前は9万ドルちょうど近辺で推移している。1日には一時8万4000ドルを割り込む場面があったが、値を戻した。

米利下げ観測も引き続き相場を支えている。米連邦準備理事会(FRB)が9〜10日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の追加利下げを決めるとの観測が根強い。

前週から今週にかけては、トランプ米大統領がFRBの次期議長に米国家経済会議(NEC)のハセット委員長を選ぶ可能性が高いと複数メディアが報じている。米政権の意向をくんで来年も利下げが続くとの見方がある。

前日に売りが目立っていたハイテク株の一角が買われ、投資家心理の支援材料となっている。ダウ平均の構成銘柄ではないが、ブロードコムやオラクルに買いが先行している。

アルファベットも高い。オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が1日、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」の改善を社員に求める「コードレッド(非常事態)」を宣言したと複数の米メディアが報じた。

アルファベット傘下のグーグルが11月中旬に発表した最新の生成AI「Gemini(ジェミニ)3」を受けた対応とみられ、グーグルの競争力の高さが改めて意識された。

ダウ平均の構成銘柄では、エヌビディアやアマゾン・ドット・コム、マイクロソフトが高い。ボーイングは6%あまり上げる場面がある。2日朝にUBS主催のイベントで経営陣が航空機の納入に対して自信を示したと伝わり、買いを誘った。前日に生成AI開発トップの辞任やAI開発部門の組織再編を発表したアップルも買われている。

半面、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やウォルト・ディズニー、メルクには売りが出ている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反発して始まった。

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