
【NQNニューヨーク=田中俊行】3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比3ドル11セント高の4万7477ドル57セントで推移している。低調な米雇用指標を受けて米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げ観測が高まり、相場を支えた。ハイテク株の一角に売りが出て重荷となっている。
米民間雇用サービス会社ADPが3日発表した11月の全米雇用リポートで、非農業部門の雇用者数(政府部門除く)は前月比3万2000人減だった。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(4万人増)に反して減少した。中小企業の雇用削減が目立ち、米労働市場が減速しているとの見方が強まった。
米短期金利先物市場では、FRBが9〜10日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決める確率が9割近くとなっている。雇用の減速は利下げ判断を後押しする材料になるとの受け止めが多く、ダウ平均は100ドルあまり上昇する場面があった。
ダウ平均の構成銘柄ではマイクロソフトが安い。米ネットメディアのジ・インフォメーションが3日、人工知能(AI)ソフトの販売目標を引き下げたと報じた。AI需要を巡る不透明感を意識した売りが出たとみられる。エヌビディアやアマゾン・ドット・コムも下げ、ダウ平均は下落に転じる場面があった。
その他の構成銘柄ではメルクやスリーエム(3M)、ナイキが上昇している。マクドナルドやホーム・デポが買われている。一方、キャタピラーとシスコシステムズは下落している。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反落で始まった。ブロードコムやマイクロン・テクノロジー、ネットフリックスが安い。
半導体のマーベル・テクノロジーが大幅高となっている。2日夕に発表した2025年8〜10月期決算で特別項目を除く1株利益が市場予想を上回った。人工知能(AI)需要を背景に27年1月期も好業績になるとの見方を示し、好感する買いが集まった。
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