NATOサミットで協議する欧州の国々の首脳(6月25日)=ロイター

【パリ=北松円香】フランスのマクロン大統領は欧州首脳との電話会議で「米国が安全の保証を明確にしないまま、領土問題についてウクライナを裏切る可能性がある」と発言した。ドイツ誌シュピーゲルが4日報じた。ドイツのメルツ首相など他の参加者も米国に対する警戒や不信感を表明したという。

同誌は1日の電話会議の英文の議事録を入手したとしている。マクロン氏やメルツ氏に加え、ウクライナのゼレンスキー大統領や北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長などが参加した。

会議ではロシアとの和平案の協議を担当する米国のウィットコフ中東担当特使とトランプ米大統領の娘婿クシュナー氏に対する警戒や不信感が示されたという。2人は2日にモスクワでロシアのプーチン大統領と会談した。

メルツ氏はゼレンスキー氏に対し「今後数日間は非常に気をつけた方がよい」と述べた。「米国はあなたのことも、我々のことも、もてあそんでいる」との見方を示した。

フィンランドのストゥブ大統領は「ウクライナとボロディミル(ゼレンスキー氏)だけで彼らに対応するのは避けなければならない」と述べた。「彼ら」はウィットコフ氏らを指すとみられる。ルッテ氏は「その通りだ。ボロディミルを守らなければ」と応じた。

仏外務省報道官は4日、シュピーゲルの報道について「コメントしない」と述べた。ウクライナ問題について「米国とあらゆるレベルで緊密なやりとり」があると付け加えた。

米国は11月にウクライナに対して領土割譲やNATO加盟断念の憲法への明記などロシアに有利な和平案を提示した。その後米国は和平案の修正に同意したが、ロシアへの大幅な譲歩はウクライナだけでなく欧州全体の安全保障も揺るがしかねないとして、欧州の首脳は危機感を強めている。

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