UNDPスリランカ常駐代表の久保田あずさ氏(UNDP提供・共同)

 【ニューデリー共同】サイクロンによる甚大な被害が出たスリランカで復興支援に当たる国連開発計画(UNDP)スリランカ常駐代表の久保田あずさ氏が4日、取材に応じ「経済再建のさなかの災害でダブルショックとなった」と指摘した。  スリランカは2022年に財政破綻し、国際通貨基金(IMF)などの支援で経済再生を進めている。サイクロンの影響で主要産業の観光業への打撃が見込まれるほか、インフラや農作物の被害で経済立て直しが停滞する恐れがある。  災害対策当局によると、豪雨による洪水や土砂崩れで死者は481人に上った。久保田氏は「国内全25県が一斉に被害を受けた災害は、これまでになかった。標高の高い内陸部でも洪水が起きた」と異例の規模だったと語った。UNDPは衛星画像や国内各地のスタッフからの情報を基に被害状況を調べているが、道路の損壊や橋の崩落で被災地への接近が難しく全容は把握できていない。  久保田氏は課題の一つとして、洪水でのバイオハザード(生物災害)に言及。人道支援物資を届けられるようにする重要性を訴えた。

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