
【NQNニューヨーク=田中俊行】5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発して始まり、午前9時35分現在は前日比54ドル95セント高の4万7905ドル89セントで推移している。米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げ観測が根強く、引き続き相場を支えている。週末とあって持ち高調整を目的とした売りも出ている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は4日続伸して始まった。S&P500種株価指数も4日続伸しており、10月28日につけた最高値(6890)に近づいている。
FRBが9〜10日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決めるとの見方が支配的だ。米労働市場の減速を受け、FRBは2026年も追加利下げを模索するとの声がある。政策金利の引き下げが続けば投資家の運用リスクをとる姿勢が強まるとして、株式には買いも入っている。
もっとも上値は重い。ダウ平均は11月後半に上昇基調となり、4日時点では11月12日に付けた最高値(4万8254ドル)まで400ドルあまりに迫っていた。高値警戒感がくすぶるなか、持ち高調整や目先の利益を確定する売りが出やすい。
代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインの弱含みも投資家心理の重荷となっている。情報サイトのコインデスクによると足元で9万ドル台と、5日未明の9万2000ドル台から下落している。投機筋のリスク選好が後退する可能性が意識されて、株式相場の上値を抑えている。
ダウ平均の構成銘柄ではセールスフォースやゴールドマン・サックス、アマゾン・ドット・コムが高い。キャタピラーやメルク、IBMも上昇している。一方、ナイキやエヌビディア、ユナイテッドヘルス・グループは下落している。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーが高い。5日にネットフリックスが同社のスタジオ事業や動画配信部門を買収することで最終契約を結んだと発表した。ワーナーの株主は現金とネットフリックス株を受け取るといい、買いを誘った。一方、ネットフリックスは下落している。
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