
【ニューヨーク=谷本克之】米紙大手ニューヨーク・タイムズ(NYT)は5日、生成AI(人工知能)を用いた検索サービスを提供する米新興企業「パープレキシティ」を提訴したと発表した。同社のAI検索エンジンがNYTのウェブサイトやデータベースから記事や動画などを無断で取得・利用しているとして、著作権侵害行為の差し止めと損害賠償を求めた。
今回の訴状のなかでは、AIが情報を捏造(ねつぞう)し、NYTのブランドを傷つけているとも主張した。パープレキシティに複数回連絡し、コンテンツの使用の停止を求めたものの、実現しなかったという。NYTの広報は「コンテンツはNYTの有料サービス加入者のみがアクセスできるようにすべきだ」と述べた。
NYTは23年にも大手報道機関としては他社に先駆けて米オープンAIと同社に出資する米マイクロソフトを同様の主張で提訴している。
パープレキシティはオープンAIの技術者が2022年に設立した。
パープレキシティをめぐっては報道機関からの提訴が相次いでいる。2024年10月、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルなどを傘下に持つダウ・ジョーンズが提訴した。国内でも25年8月に読売新聞社や日本経済新聞社、朝日新聞社が著作権侵害行為の差し止めと損害賠償を求めて東京地裁に訴訟を起こした。
パープレキシティは、10月までに米紙ワシントン・ポストなど米欧の大手メディア7社と提携したと発表している。
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