
【NQNニューヨーク=稲場三奈】5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、終値は前日比104ドル05セント(0.21%)高の4万7954ドル99セントだった。同日発表の米経済指標が米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げを妨げない内容だったと受け止められ、株式相場の支えとなった。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は4日続伸し、終値は72.992ポイント(0.31%)高の2万3578.128だった。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は4日続伸し、終値は13.28ポイント(0.19%)高の6870.40だった。10月28日に付けた最高値(6890.89)に接近した。
ミシガン大学が5日公表した12月の米消費者態度指数(速報値)は53.3だった。11月の確報値(51.0)から改善し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(52.0)を上回った。もっとも1年先の予想インフレ率は前月の4.5%から4.1%に低下した。1月以来の低水準で、消費者のインフレ期待が鈍化していることを示した。
5日発表の9月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前月比で0.3%上昇と、伸び率は8月から横ばいで市場予想と一致した。食品・エネルギーを除くコア指数も前月と同じ0.2%上昇と予想通りで、インフレは緩やかだと受け止められた。
5日発表の経済指標について「米利下げへの確度を強める内容だった」(CIBCキャピタル・マーケッツのアリ・ジャフェリー氏)との声があった。市場では、FRBが9〜10日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決めるとの予想が多い。米労働市場の減速で2026年も利下げが続くとの観測もあり、米株の買いを誘った。
一方、ダウ平均の上値は重かった。ダウ平均は11月12日に付けた最高値(4万8254ドル)に迫る場面があり、高値警戒感が意識された。来週のFOMCは、さらなる追加利下げには慎重な「タカ派的な利下げ」になるとの見方もある。パウエル議長の記者会見や参加者の政策金利見通し(ドットチャート)を見極めたい雰囲気があった。
ダウ平均の構成銘柄ではセールスフォースやゴールドマン・サックス、ビザが上昇した。半面、アムジェンやエヌビディア、ユナイテッドヘルス・グループは下げた。
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