天安門広場の前を埋め尽くした人々(1989年5月、北京)=ロイター

【香港=共同】英誌エコノミストは6日までに、中国で1989年に起きた天安門事件前に共産党・政府に命じられた民主化運動の武力弾圧を拒否し投獄された元中国軍軍長徐勤先氏の軍事法廷の映像がインターネット上に流出したと報じた。審理は非公開で、流出が事実であれば異例だ。

徐氏は北京で民主化運動が起き戒厳令が敷かれた89年5月、第38集団軍の軍長として運動鎮圧のため進軍を命じられたが「人民に武器を向けることはできない」と拒否、軍長を解任された。軍事法廷を経て5年間投獄され、2021年1月に死去した。

映像は1990年3月に行われた審理で、6時間以上に及ぶ。徐氏とされる人物は「善人と悪人、兵士と民間人が入り交じっていた」と語り、任務の遂行に対する疑念を吐露。「歴史の罪人」になることを望まなかったと主張した。

映像は当時民主化運動に参加して事件を目撃し亡命した研究者呉仁華氏を通じてネットに投稿されたという。呉氏はX(旧ツイッター)で「流出の経緯は明らかにしない」と述べ、流出は「共産党内部や軍部の権力闘争とは全く無関係だ」としている。

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