韓国の禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長㊨と水嶋光一駐韓日本大使(8日、ソウル)

【ソウル=小林恵理香】韓国の禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長と水嶋光一駐韓日本大使は8日、韓国の国会内で会談した。禹氏は戦時中に朝鮮半島出身者が多数死亡した山口県宇部市の海底炭鉱「長生炭鉱」の調査を巡り日本政府に協力を要請した。

長生炭鉱を巡っては8月に日本の民間団体が海底の坑道内で複数の人骨を回収した。韓国側は人骨のDNA鑑定による身元特定などについて日本との協議を進めたい考えだ。調査には潜水作業が必要となり、安全性が課題となる。禹氏は「前向きな対応をお願いしたい」と述べた。

両氏は外交・安全保障だけでなく、経済や文化など幅広い分野での協力の重要性について認識を共有した。水嶋氏は「両国をとりまく戦略的状況から、日韓は国際課題に協力して取り組む重要なパートナーだ」と強調した。

11月には日韓・韓日議員連盟の合同総会をソウルで開催するなど議員間でも交流が続く。両氏は首脳級だけでなく議員外交や民間交流の重要性を確認した。禹氏は日本を訪問したい意向を示した。

両氏の会談は初めて。2024年8月にも会談の実施を模索したが延期された。日本側は日程上の都合と説明していた。

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