ノルウェーのオスロ市庁舎で10日午後(日本時間10日夜)、ベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャド氏(58)にノーベル平和賞が授与された。マチャド氏は独裁色が強まるベネズエラで捜査対象とされつつ、授賞式で演説する意向を示してきたが、出席はかなわなかった。
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ノーベル委員会によると、マチャド氏は授賞式や晩餐(ばんさん)会といった10日の行事には参加しない。ただ、「彼女は安全な場所にいて、オスロに来る」としている。授賞式では、娘のアナさんが代理で賞を受ける。
授賞式ではマチャド氏が書いた演説文が読み上げられる。平和賞について「民主主義が平和に不可欠であることを世界に想起させる」とし、「民主主義を望むならば、自由のために戦う覚悟を持たなければならない」と訴える予定だ。
マチャド氏は2002年、自由で公正な選挙を推進する団体を仲間と共同で創設。10年には史上最多得票で国会議員となったが、14年にマドゥロ大統領に近い国会議長によって議員職を剝奪(はくだつ)された。
その後も一貫して民主化を訴え続け、23年には大統領選の野党候補を決める予備選で圧勝。だが、政権寄りの最高裁が24年1月に本選への立候補を認めない決定を下し、同年7月の大統領選ではマドゥロ氏が「3選」を果たした。米国や欧州連合(EU)はこの選挙結果の正当性を認めていない。
また、スウェーデンのストックホルム市内のホールでは10日午後(日本時間11日未明)、自然科学3賞と文学賞、経済学賞の授賞式が開かれる。大阪大の坂口志文特別栄誉教授(74)が生理学・医学賞、京都大の北川進特別教授(74)が化学賞を受賞する。
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