ウォール街

【NQNニューヨーク=田中俊行】10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比81ドル19セント安の4万7479ドル10セントで推移している。米連邦準備理事会(FRB)が午後に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を発表するため様子見ムードが強く、持ち高を一方向に傾ける動きは限られている。

FRBは政策金利を0.25%引き下げ、3会合連続の利下げを決めるとの予想が多い。もっともインフレを懸念するFOMC参加者も多く、FOMC後に公表する声明などを通じて追加利下げに慎重な「タカ派」的な姿勢を示すとの観測が根強い。

FRBが10日に公表するFOMC参加者の政策金利見通し(ドットチャート)やパウエル議長の記者会見での発言から、2026年以降の金融政策を見極めたい投資家は多い。株式相場は方向感に欠ける展開となっている。

米労働省が10日発表した7〜9月期の雇用コスト指数は前の四半期に比べ0.8%上昇した。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.9%上昇)を下回った。「労働市場の緩やかな減速が賃金上昇の鈍化につながっている」(ウェルズ・ファーゴ)との声があるが、現時点で相場の大きな方向感に影響を与えていない。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、発電機・関連機器のGEベルノバが大幅高となっている。9日夕に28年12月期通期の収益見通しを引き上げた。配当の積み増しや自社株取得枠の拡充で株主還元を強化する方針も示し、好感する買いが集まった。

ダウ平均の構成銘柄ではナイキやキャタピラー、シェブロンが上昇している。一方、マイクロソフトやユナイテッドヘルス・グループ、IBMは下落している。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反落して始まった。メタプラットフォームズやインテルなどに売りが出ている。

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