高市早苗首相が台湾有事に関し、存立危機事態に「なり得る」とした国会答弁を巡り、内閣官房が事前に作成していた応答要領の資料が判明した。同趣旨の答弁案は含まれず、首相がその場で判断して答弁した可能性が強まった。

政府に質問主意書を提出していた立憲民主党の辻元清美参院議員が11日夜、X(旧ツイッター)で公開した。

首相の「存立答弁」は11月7日の衆院予算委員会で、立民の岡田克也氏との質疑の中で飛び出した。関係者によると、辻元氏は岡田氏の質問通告に対し、内閣官房が作成していた応答要領の資料を開示するよう求めた。

開示された資料には「台湾を巡る問題が、対話により平和的に解決されることを期待する」「いかなる事態が存立危機事態に該当するかは、事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して判断する」などと記載。首相もこうした答弁をしていたが、やりとりを重ねる中で「どう考えても存立危機事態になり得るケースだ」と発言した。資料には含まれていない答弁だった。

首相答弁に関しては、立民の野田佳彦代表が11月下旬の党首討論で「首相の独断専行」と批判するなど、政府内で作成されていなかったとの見方が出ていた。辻元氏はXで「あの答弁は首相の個人的見解で、官僚が書いたのではないことが明らかになった」と指摘した。〔共同〕

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