
小泉進次郎防衛相は12日、米国のヘグセス国防長官と電話で協議した。中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射について説明した。両氏は中国軍の行動が「地域の平和と安定に資するものではない」との認識で一致した。地域の緊張を高める行為に「深刻な懸念」を表明した。
小泉氏が終了後、国会内で記者団に明かした。レーダー照射後、日米の閣僚級の議論は初めて。およそ40分間話し合った。
中国とロシアの爆撃機による日本周辺での共同飛行も議題となった。小泉氏は引き続き日本周辺の警戒監視を続けると伝えた。
両氏は年明けに米国での会談を調整すると確認した。防衛省は2026年1月の通常国会召集前の日程を念頭に置く。
中国の空母「遼寧」から発艦したJ15戦闘機は6日、沖縄本島南東の公海上空で航空自衛隊のF15戦闘機に2回にわたり断続的にレーダーを照射した。空自F15はJ15の領空侵犯に備え緊急発進(スクランブル)していた。
航空自衛隊と米軍が10日に日本海上で開いた訓練には米軍のB52爆撃機2機が参加した。B52が参加する日米共同訓練の公表は2024年12月以来1年ぶりとなる。核兵器を載せられる爆撃機を日本海で飛ばし、日米の抑止力を示した。
小泉氏はレーダー照射があった翌日以降、同志国などに状況を説明し連携を強化するよう訴えてきた。オーストラリアのマールズ国防相やイタリアのクロセット国防相、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長らと意見交換した。
小泉氏はヘグセス氏に防衛力の強化に向けた日本の取り組みについても話した。2025年度補正予算案や安全保障関連3文書の改定に関する省内協議に言及した。
米ホワイトハウスが4日に公表した安全保障政策の指針である「国家安全保障戦略(NSS)」にはトランプ米大統領が日本に防衛費増額を求めていると記した。
日本の防衛省は電話協議で「特定の金額を念頭においたやりとりはしていない」と説明した。
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