クーデターを起こしたミャンマー国軍に拘束されている民主化指導者アウンサンスーチー氏(80)の次男キム・アリス氏が来日し、12日に都内で講演した。キム氏は「ミャンマーの未来のために、母スーチー氏の解放が最も重要だ」と話し、日本政府にも協力を呼びかけた。

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 スーチー氏は2021年2月1日のクーデター当日に拘束され、その後、国軍統制下の裁判所で汚職などの罪で拘禁刑が下された。スーチー氏は外部と接触を断たれており、キム氏は「これまでの連絡は、1通の手紙だけだ」と説明。軍施設に拘束されていると推測した上で、「心臓や歯が悪く、適切な治療を受けられていないようだ」として「せめて自宅軟禁に移してほしい」と訴えた。

 ミャンマーでは今月28日から総選挙が予定されるが、スーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)は解党され、選挙に参加できない。国軍主導の選挙は、国軍系政党の連邦団結発展党(USDP)の勝利が濃厚とみられている。キム氏は「自由と公正からほど遠い選挙だ」と批判し、日本政府に「選挙に正当性を与えないでほしい」と訴えた。

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