北欧フィンランドの国会議員らが、アジア人に対する人種差別とみなされる「つり目」の写真を投稿し、非難を浴びている。欧米では度々、つり目の写真が炎上してきたが、同様の騒動がくり返されている。

 フィンランドメディアによると、今回の発端は、ミスフィンランドに選ばれた女性を飲食店で写したとされる11月末のSNS写真。指でまぶたを上部に引っ張って「つり目」を表現し、「中国人と一緒に食べる」と説明が添えられていた。

 本人はメディアの取材に「頭痛がしたため、こめかみをもんだ」と釈明。その後SNSで謝罪もしたが、騒動は収まらず、ミスフィンランドの主催者は「称号には高いレベルの責任が伴う」として11日に「ミス」の剝奪(はくだつ)を決めた。

 一方、この決定が厳しすぎると反発する声が一部で上がり、反移民政策を掲げる右派「フィンランド人党(フィン党)」に所属する国会議員と欧州議会議員の計3人は、女性を擁護するように、相次いで「つり目」の写真や動画を投稿した。

 こうした動きに対し、アドラークロイツ教育相は「無責任で、幼稚で、愚かだ。明らかに人びとを不快にさせるものだ」と批判。フィンランド在住の日本人男性は「差別表現に抗議し、アジア人差別の実態調査と改善を求める」とのオンライン署名を始め、13日までに4千筆以上が集まった。

 つり目は歴史的に、アジア人を嘲笑する記号のように使われ、近年では典型的なアジア人差別とみなされる。だが、「つり目で炎上」は何度もくり返され、今年8月にも、スイスの時計メーカー「スウォッチ」が両手で目尻を引き上げる男性の姿を広告に使い、謝罪に追い込まれていた。

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