モスクワの仲裁裁判所は15日、欧州連合(EU)によるロシアの資産の凍結をめぐり、ロシア中央銀行が18兆2千億ルーブル(約36兆円)の損害賠償をベルギーの決済機関「ユーロクリア」に求める方針だと明らかにした。インタファクス通信が伝えた。

  • ロシアの干渉、揺れる親欧米国モルドバ 親ロ住民「占領してほしい」

 EUはロシアの凍結資産を原資にしたウクライナ融資を検討しているが、ロシア中銀は損害賠償請求でこれを牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。

 仮に賠償が認められても、当面はロシア側が差し押さえられるのは、ユーロクリアがロシア国内に保有する資産だけだ。しかし、和平後を見据え、同社に圧力をかける狙いもあるとみられる。

 ロシア中央銀行は12日、モスクワの仲裁裁判所に訴える方針を表明。ユーロクリアの行動で損失を被ったほか、EUの行政を担う欧州委員会による凍結資産の活用計画も考慮したとしていた。EUは活用する資産の規模を900億ユーロ(約16兆円)としている。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。