ウクライナのゼレンスキー大統領は15日、訪問先のベルリンで記者会見し、米国が提示した和平案を巡り、領土問題で米国と立場の違いがあると表明した。トランプ米大統領はゼレンスキー氏や欧州諸国の首脳らと電話会談したと明らかにし、和平案の合意に「これまでになく近づいていると思う」と語った。  ゼレンスキー氏はベルリンでドイツのメルツ首相と共同記者会見し、ロシアが求める領土割譲やウクライナ軍撤退を念頭に「米国が中立の立場を取ることを望む」と強調した。14日に続いてウィットコフ米和平交渉担当特使らと協議。ロイター通信によると米側はウクライナに対し、戦闘が続く東部ドネツク州の前線からの軍撤退を求めた。  ゼレンスキー氏は記者会見で、支援国からの「安全の保証」が確約されていない状況では、前線に関するいかなる判断もできないと主張。現時点で軍撤退の用意はないとの考えを示した。  米政府関係者はNATO加盟国の集団防衛を定めた北大西洋条約第5条に類し「強力な紛争回避策と監視体制」を提供するものだと記者団に明言した。

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