
【NQNニューヨーク=川上純平】25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前週末比349ドル27セント(0.76%)安の4万5282ドル47セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測を背景に先週末に最高値を更新した後で、主力株に利益確定の売りが出た。エヌビディアの決算発表を27日に控えて様子見の投資家も多かった。
FRBのパウエル議長は22日の講演で利下げを再開する方針を示唆した。市場では9月に利下げが始まるとの見方が多く、同日のダウ平均は846ドル高と大きく上昇。8カ月半ぶりに最高値を更新した。25日は高値警戒感が意識され、主力株に目先の利益を確定する売りが出た。
利下げ期待が高まる一方、トランプ米大統領の関税政策が今後、本格的にインフレ圧力を高めるとの警戒は根強い。トランプ氏は22日夕、輸入家具に分野別関税をかけるための調査に着手したと発表した。ダウ平均の構成銘柄ではないが、ウェイフェアやRHなど輸入家具を販売する銘柄に売りが出て投資家心理の重荷になった。
米債券市場では金融政策の影響を受けやすい2年債の利回りが8月に入り大きく低下した一方、20年債や30年債といった年限の長い債券の利回りはほぼ横ばいとなっている。「インフレ懸念が映し出されている」(マーフィー・アンド・シルヴェスト・ウェルス・マネジメントのポール・ノルティ氏)との指摘がある。FRBが利下げを急ぐかどうかは今後の雇用・物価指標を見極める必要があるとの指摘もある。
ダウ平均の構成銘柄ではメルクやアムジェン、コカ・コーラが下げた。シャーウィン・ウィリアムズとプロクター・アンド・ギャンブルも下落した。半面、エヌビディアが上昇した。決算で人工知能(AI)向け半導体の販売拡大が確認できるとの期待がある一方、収益見通しを見極めたいとの声がある。ナイキも買われた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。前週末比47.243ポイント(0.21%)安の2万1449.292(速報値)で終えた。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とクアルコムが下げた。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。