タイとカンボジアの国境紛争を巡り、カンボジア国防省は18日、タイ軍がカンボジア北西部のタイとの国境地帯の街ポイペトを空爆したと発表した。タイ空軍の報道官も18日、空爆を認めた。両国間の戦闘でカンボジア側が多用している多連装ロケット砲の格納庫を狙ったとしている。在カンボジア日本大使館などによると、現地には日系企業7社が工場を置いているが、日本人や建物の被害は確認されていないという。

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 カンボジア国防省によると、18日午前11時過ぎ、タイ軍のF16戦闘機がポイペトに爆弾2発を投下したという。空爆があった詳しい地点や、被害状況などは明らかにしていない。

 カンボジア北西部に位置するポイペトは、タイ側との交通の要衝。タイに生産拠点を置く日系メーカーの部品供給網の一部となっていた。また、国境沿いにはカジノが立ち並ぶ。両国の対立が激化する前には、タイ側からも国境を越えて多くの客が訪れていた。現地で働いていた人も多く、タイ外務省によると、5千~6千人のタイ人が帰国できず、足止めされているという。

 ポイペトは国際犯罪組織の詐欺拠点が集まる街としても知られ、今年5月には特殊詐欺に関わった疑いで日本人29人が拘束され、その後日本に送還された。

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