【NQNニューヨーク=横内理恵】18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、終値は前日比65ドル88セント(0.13%)高の4万7951ドル85セントで推移している。同日発表の11月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回った。人工知能(AI)関連株に見直し買いが入っていることも相場を支えた。

11月のCPIは前年同月比の上昇率が2.7%、エネルギー・食品を除くコア指数が2.6%だった。ともにダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(それぞれ3.1%、3.0%)を下回った。米政府機関の一部閉鎖の影響で10月分の発表がなく、前年比のインフレ率は9月と比べて鈍化した。

ダウ平均は来年の利下げへの期待から一時400ドル超高まで上昇したが、徐々に上げ幅を縮めた。CPIの結果と民間データとの傾向の違いや政府閉鎖に伴うデータ精度への懸念も指摘されている。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、17日夕に四半期決算を発表した半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーが17%近く上昇する場面があった。9〜11月期決算で売上高などが市場予想を大幅に上回り、見通しも予想以上に楽観的だった。

AI投資需要の強さや持続性が確認された面があり、半導体関連やクラウドサービスを手掛ける企業などの収益期待につながった。足元で売られていたAI関連銘柄に見直し買いが入り、ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアやマイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなどの上昇が目立った。

ダウ平均は午前に480ドル近く上げた後は伸び悩んだ。ハイテク株に資金が向かう一方、ディフェンシブ株の一角などに利益確定売りが出た。

そのほかのダウ平均の構成銘柄ではメルクやボーイングが上昇した。一方、シェブロンが下落し、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やユナイテッドヘルス・グループなども安かった。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反発し、終値は313.038ポイント(1.37%)高の2万3006.361だった。テスラやデータ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズが高かった。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も買われた。

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