21日、オーストラリア・シドニーで、銃乱射事件の犠牲者追悼集会に到着したアルバニージー首相(中央)(ゲッティ=共同)

 【シドニー共同】オーストラリア・シドニーのボンダイビーチでユダヤ人を狙ったとされる銃乱射事件から21日で1週間となった。事件後、政府は反ユダヤ主義や暴力を助長するような憎悪表現に対する罰則強化などを次々と発表したが、ユダヤ系住民らは「遅すぎる」と反発。怒りの矛先が向けられたアルバニージー首相が「試練」(地元メディア)を迎えている。  事件は14日に発生。ユダヤ教の光の祭り「ハヌカ」を祝うために集まった人に向け、父子2人の容疑者が高さ約3メートルの歩道橋上から発砲。15人が死亡した。容疑者の車両からは過激派組織「イスラム国」(IS)の旗が見つかり、警察は「テロ」と断定。父親(50)は現場で射殺され、息子(24)は17日に訴追された。  国内では事件以前から、ユダヤ人らを標的とした放火事件などが増えていた。保安情報機関トップは今年2月、上院で反ユダヤ主義による脅威を「最も喫緊の課題」に挙げていた。  政府は事件後、憎悪や暴力を助長する行為に対する罰則強化や個人所有の銃を全土で買い戻す方針を発表した。

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