
【キーウ、ワシントン=共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は20日、記者団に対し、米国からロシアを交えた3カ国高官会談の開催を提案されたと明らかにした。米国はロシアと20日に米南部フロリダ州マイアミで高官協議を実施、21日も継続する予定で、ロシアに対しても3カ国会談を持ちかける可能性がある。
ロシアとウクライナはトランプ米政権の仲介で、今年5月に約3年ぶりに直接交渉を再開したが、停戦や領土問題を巡る立場の違いが埋まらず、7月を最後に途絶えている。ゼレンスキー氏は3カ国会談が実現した場合、欧州各国も参加する可能性があると指摘した。
ロイター通信によると、ロシアのドミトリエフ大統領特別代表は20日、記者団に「ロシアと米国は建設的な協議を行っている」と述べ、21日も引き続き高官協議を続ける考えを示した。タス通信によると、ロシアのウシャコフ大統領補佐官は21日、3カ国会談は「検討されていない」と述べた。
ゼレンスキー氏は記者団に、米国が示した和平案に関して「ウクライナが保持するドンバス地域(ルハンスク、ドネツク両州)の一帯を守ることが重要だ」と強調。ウクライナ軍が戦闘地域から撤退することはないと米国側に伝えたと述べた。
ゼレンスキー氏は、ロシア占領地での選挙実施について、ロシアの介入の恐れがあり不可能だとの認識を表明。ロシアのプーチン大統領が19日、ウクライナ大統領選が行われる場合、攻撃を控えると発言したことに対し「選挙をするかどうかはプーチン氏が決めるものではない」と反論した。
プーチン氏は19日の大規模記者会見で、ロシア国内に500万人から1千万人のウクライナ人が住んでおり、選挙が実施されるならロシア在住者に投票権を与えるよう要求する権利があると主張した。ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ南部クリミア半島や東部・南部4州を含めた認識とみられる。
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