
【ワシントン=時事】新約聖書に記された「ベツレヘムの星」は彗星(すいせい)による実在の天体現象だった可能性があると、米航空宇宙局(NASA)の惑星科学者マーク・マトニー氏が発表した。彗星の動きを分析した論文が3日付の科学誌「英国天文学会誌」に掲載された。
ベツレヘムの星は新約聖書の「マタイによる福音書」に登場。星がその動きで東方の三博士を幼子イエス・キリストの元に導き、ベツレヘム上空で静止したと伝えられている。クリスマスツリーのてっぺんに輝く星飾りはこの星をかたどっている。
マトニー氏は古代中国の史書「漢書」に記録された、紀元前5年に観測された彗星に着目。軌道モデルを解析した結果、地上の一部からは星が動いた後で一時的に静止したように見えた可能性があると指摘した。
マトニー氏は米FOXテレビのインタビューで、「これ(ベツレヘムの星の真否)は科学者が何百年も取り組んできた宿題だ」と説明。その上で、「私の目的はベツレヘムの星を証明することよりも、『天体がこのような動きをするはずがない』という考えを否定することだった」と述べた。
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